暖かな光に包まれ,信濃川の河畔を彩る桜も咲きほこり,春爛漫のときを迎えた今日のよき日,ご多用の中,新潟青陵学園 理事長 篠田 昭様,新潟青陵高等学校PTA会長 橘淳様のご臨席を賜り,ここに令和5年度新潟青陵高等学校入学式を挙行できますことは,このうえない慶びであります。
新入生の晴れやかな姿を見守るために,ご臨席を賜りましたことに,厚くお礼申し上げます。
さて,いまほど入学を許可いたしました289人の皆さん,入学おめでとう。
保護者の皆様,ご家族の皆様おめでとうございます。心よりお祝い申し上げます。
全国に5000校以上ある高等学校の中から,皆さんは,この新潟青陵高等学校に進学することを選びました。
本校は,いまから123年前の明治33年,西暦1900年に創立されて以来,つねに新潟地域の,向上心あふれる生徒の教育を担い,これまで,4万人を超える卒業生を世に送り出し,現在,地元新潟をはじめ各地,各界で活躍されていることは周知のとおりであります。この間,志ある若者がこの学校で学び,夢を語り合い,心身を鍛え,将来を模索する貴重な時間を過ごしました。
新入生の皆さんも,多くの先輩たちに続き,中学校時代とは違う,新しい自分を見つけるために,努力を惜しむことなく,充実した三年間を過ごしてください。
さて,中国,春秋戦国時代,いまから2000年以上も前の思想家,老子は,「千里の行も足下より始まる」と記しています。一抱えもあるような大きな木も小さな芽から生まれ育ち,高くて大きな建物も土台の土を盛るところからはじまり,同じように千里の遠い道のりも足もとの一歩からはじまる,という意味です。はじめから自分が理想とする姿があるわけではなく,勇気を持って踏み出した最初の一歩からはじまり,やがて大きな結果につながっていくものです。地道な努力の積み重ねが大切だと思います。
もうひとつ,お話しします。新潟青陵高等学校は,ステージ上部に掲げている「至誠」の精神を校訓とし,この精神を中心に据えて教育を行う私立高校です。
「至誠」とは,このうえなく誠実なこと,まごころという意味です。この校訓は生徒の皆さんにつねに意識してもらいたいと思います。自分の都合だけを優先させて,周囲の人の気持ちを考えないようでは困ります。しかし,他者を尊重し,周りの人に誠実に接するためには,自分のこともまた,大切にしなければなりません。このことは日々の学校生活の様々な場面で,自ら意識して学んでいくことであり,自分に対しても周りの人に対しても誠実であることの大切さ,よさに気づいてほしいと思います。
最後に,保護者の皆様,ご家族の皆様に申し上げます。新入生であるお子様にとってのこれからの高校3年間は,人間的な成長を図りながら新しい自分を発見し,大人としての自分の将来像を描く自立への旅となります。その途上は,楽しいことばかりではなく,苦しいこと,嫌なことにも直面することでしょう。そんなときには,人生の先輩として,ご家庭で,あるときは厳しく,あるときは冷静に,またあるときは温かく,見守って適切な助言をお願いいたします。学校では,私たち教職員全員,本日入学を許可いたしました289人の生徒諸君の教育に全力をあげることをお約束いたします。
新入生の皆さんが,今日の喜びと決意を忘れることなく,充実した高校生活を過ごし,立派に成長されることを願って,式辞といたします。
あらためて,みなさん,入学おめでとうございます。
令和5年4月6日
新潟青陵高等学校長
石井 充